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この人にインタビュー

Vol. 10

神田敏晶さん
Vol.10:神田敏晶さん

神田さんは世界最小のデジタル放送局Kanda News Network,Inc を運営し、IT業界を専門とするビデオジャーナリスト。米、仏、日本での臓器提供にすでに同意済で、日本では骨髄ドナー登録も!
その経験から「サスティナブル(持続可能)な身体」という発想が出てきたとか......。

日本の骨髄バンクへの登録は2、3年前です。というのも、僕は"ドナーマニア"でして(笑)。死んだら、片方の眼と心臓、肺はアメリカ、もう一方の目と肝臓、膵臓、腎臓はフランスへ提供することになっています。

僕の臓器提供は、ある意味で打算的なんです。1998年頃、アメリカの空港で「臓器提供に同意しておくと、グリーンカードの取得に有利だよ」と声をかけられたのがきっかけですから。本当にそうか分かりませんが、実際、申請書には臓器提供に同意していると書き込めるようになっています。

アメリカだけにあげるのはシャクなので、その後フランスでも臓器提供に同意しました。さらに日本で死んだときのために、日本の臓器提供意思表示カードも持っています。そんなわけで僕の死後、身体のどの部分がどの国へいくのか、死んでみないとよく分からなくなっちゃったんですけどね。

すべての動機は、なんでもやってやろうというジャーナリストの好奇心。骨髄ドナー登録も実はその延長なんです。

「人のために」というより、自分の利益になるという誘い文句でドネーションをはじめた僕ですが、実際に提供する意志表示をしたことで、自分の身体に対する意識が以前とは少し変わってきました。

例えば、昔は平気で徹夜して酒を飲んだりしていたのですが、今は「この肝臓は次に使う人がいるんだから、あまり痛めるようなことしちゃいけないな」と思うようになったんです。無茶しなくなりました。

次に使う人がいるという考え方は、由緒ある建物や自然環境を、子どもや孫の代まで伝えたいと思うのと一緒。つまり、身体もサスティナブル(持続可能)な物体なんだ、というふうに捉えられるようになったんです。

自分が使っている身体が、いつか誰かの役に立つかもしれない。逆に僕が誰かに助けられることがあるかもしれない。この発想、僕は精神的なゆとりや余裕みたいなものにもつながることだと思います。

ドネ−ションの意思表示をした人が得られる一番大きなものは、ひょっとすると、そうした身体に対する「共有意識」かもしれません。

プロフィール

かんだ としあき/ビデオジャーナリスト
Kanda News Network.inc代表取締役。神戸生まれ。
マーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の企画編集とDTPに携わる。1995年からビデオストリーミングによる個人放送局「Kanda News Network」をスタートさせ、ビル・ゲイツなどへのインタビューに成功。現在、impress.TVキャスター、早稲田大学非常勤講師などを勤める。
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