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提供者さんインタビュー

Vol. 28

村田良子さん
Vol.28:村田良子さん

村田良子さんは子育て真っ最中のお母さんです。入院中、家事と子どもの世話を一手に引き受けてくれたご主人への感謝。そして息子さんが通う保育園の看護師さんが、「お母さんの入院と病気のことを、お子さんが理解できるように」と作ってくれた手作り絵本のこと。骨髄提供は村田さんだけでなく、周りのみんなが共有できる素晴らしい体験でした。

ドナー登録のきっかけは?

約5年前になりますが、長男を出産した病院で同じ病室に入院していた方のお子さんが白血病だと聞いたんです。その当時でもうすぐ2歳になるとおっしゃっていたので、ちょうど上の娘と同じくらいの歳だったんですね。ご家族の気持ちとか小さなお子さんの苦しみとかを考えると、他人事には思えなくて、すごくつらかったですね。実際に登録をしたのは、それから3年くらい後なんですけど、献血に行ったときに「チャンス」を見て、入院していたころの気持ちを鮮明に思い出しました。あのとき病気のお子さんにもおかあさんにも、何もできなかったけれど、いまなら、私でも役に立つことがあるかもしれないなと思って、献血と同時にドナー登録をしました。

適合通知が来たときはどう思いましたか?

正直、嬉しく思いました。不安よりも未知の体験へのワクワクしたような気持ち、やっと役にたてるかもしれない期待がありました。素直に喜んでいる自分と、冷静になろうと戒めている自分。二人の自分がいた感じで。完全に喜びの方が、優位に立っていましたけど...。

ご家族の反応はどうでしたか?

過剰な反応はなかったです。主人が私と違って気持ちを内に秘めるタイプなので。私がうれしいうれしいと言っていると、逆に静かに淡々としていました。それでも私の提供したい気持ちは誰よりも理解してくれていたので、うれしく思いました。実家の母親は、やっぱりまだ子供が小さいので、とても心配していたようです。どんなに詳しく説明をしても心配が消えるってことは、親にはないんだなと思いました。それでも最終的に見守ってくれたことは、親としてあるべき姿を教えられたような気がしました

お子さんが小さいと入院もむずかしいと思いますが、それを解決できたのはご家族の協力でしょうか?

そのとおりです。主人が全面的に引き受けてくれたので、自分自身の仕事と家事と子どもの世話。一番大変だったのは主人じゃなかったかと...。もし私がどんなに提供したいと言っても、子どもがまだ自立していないので、面倒をみてくれる人がいなければ叶わないことなので、本当に主人のおかげです。

コーディネート中に印象に残ったことは?

息子が通っている保育園の看護師さんが子どもたちに私が入院することを伝えるときに、役立ててほしいって、絵本を作ってくれたんです。これが一番印象に残っていることです。看護師さんに提供が決まったことをお話したら、「子供たちに入院することをどうやって伝えるんですか?」と聞かれたんです。私は「白血病という病気があることなどを理解できないかもしれないけど、できるだけ詳しく伝えようと思っています」と。そうしたら看護師さんがお手伝いさせてくださいって、絵本を作ってくれたんです。「ありがとう、いのち」っていうタイトルなんですけど、病気のことや骨髄提供について、さらに私が入院することまで、とってもわかりやすく書いてあるんです。子どもたちにその絵本を見せたら、初めのうちは普通のお話を聞いているときのような感じで、淡々としていたんですけど、最後に「お母さんは病院にお泊りをします」っていうくだりになると、子供たちの顔色が変わりました。子どもなりに理解したと思うんですけど、必死で涙をこらえている姿が印象的でした。顔に手を押し付けて涙を見せずに「ぼくたちもがんばらなきゃ」って感じたのかもしれないです。この絵本は、看護師さんの真心が形になったもので、何度読んでも涙が出そうになるんです。私の宝物になりました。

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