ドナー登録してから、すでに10年以上が経ちますが、まだ提供したことはありません。移植を待っていらっしゃる患者さんがいるのであれば、こんなに長い時間、提供の機会がないということはないような気がします。私のように、何年も適合者とならないようなケースは珍しくないのでしょうか?(Y.Tさん)
珍しいことではありません。どうか気長にお待ちください。
登録してから10年経つ現在も、適合通知が来ないことはお気になさるところだと思います。昨年度実施された移植件数においては、24%以上の方が登録後 10年を経過してから初めて提供に臨んでいらっしゃいます。いかに白血球の型が適合することがまれであるかおわかりになるのではないでしょうか。HLA型の組み合わせには数万通りあり、まったくの赤の他人同士では数百〜数万分の1の確率でしか一致しません。
一方、1992年から2004年11月までにドナー登録された方々は、累計25万4000人余になりますが、患者さんとHLA型が適合した方は、何と1/3にあたる7万2000人もおられ、そのうち実際に骨髄提供された方は6034人にものぼります。つまり、ドナー登録者42人に1人の割合で提供しており、おおざっぱにいえば「40人に1人」ということになります。
世界一の骨髄バンクのアメリカでは、約400万人のドナー登録者で提供者は2万人ですので、その確率は「200人に1人」ということになります。日本での提供する確率は世界的に見るとまれにみる高い確率といえます。
その背景となっているのは「日本人のHLA型の均質性」です。HLA型からみると単一民族と言っても良いほど似ている型をもっている人が多いと言うことです。「人種のルツボ」と言われるアメリカは、白人、黒人、アラブ、東洋系、アメリカインディアン、ヒスパニックなど、世界各地から移民した民族がおりなす国であることから、日本とは比較にならないほどHLA型が多様化しており、それは骨髄移植に不可欠な「HLA適合率」を下げる結果となっているのです。
患者さんにとっては、最終的に提供を受けるドナーは1人ですが、コーディネート段階では複数のドナー候補者がいるのが通例です。頻度の高いHLA型を持つ患者さんのなかには数百、数千人と適合ドナーがみつかる場合もあります。しかし、珍しい型の患者さん(約1割を占めています)には、依然として適合するドナーさんを1人もみつけることができていません。また、1〜3人という少数の適合者しか見つからない患者さんも全体の2割近くになります。
こうした現状からも、ひとりでも多くのドナー登録が必要です。皆さまのご理解、ご協力をお願いいたします。

